フィレンツェ滞在日午後は、ご存じ、キャンティ(Chianti)のワイナリーへ。 フィレンツェ市街からバスで約1時間弱の丘陵地帯にある、Castello Del Trebbioを見学しました。 Castelloはイタリア語で「城(Castle)」なので、「トレッビオ城」という名のワイナリー。 1184年にパッツィ家によって建造された古城をワイナリーとしていることからとそう名乗っています。
パッツィ家といってもピンとこない人が多いかもしれませんが、イタリア史上では有名なようです。 中世のフィレンツェで主に金融業を生業とし、かのメディチ家と激しく対立していた一族で、「パッツィの陰謀(Congiura dei Pazzi)」と呼ばれる事件を起こしたことで知られます。 この事件でパッツィ家は、メディチ家最盛期の当主・ロレンツォ(Lorenzo de' Medici)とその弟ジュリアーノ(Giuliano de' Medici)の殺害を企て、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)で、弟ジュリアーニの殺害には成功するものの、ロレンツォを取り逃します。 市民の支持を得られなかったパッツィ家は、逆にロレンツォの逆襲により、一族郎党皆殺しの憂き目に遭うこととなります。
そして地下のワイン樽の並ぶ部屋へ、ひんやりとした空気が心地いい。 このワイナリーではヴァージンオリーブオイルも生産しており、ワイン(Ciantiは赤ワインだけ)とオリーブオイルの製法や特徴について説明を受けながら、地下迷宮のようなワイナリーを見学して回ります。 見学後は、テイスティング。 2007年産の若い赤と、2004年産の赤"Rufina"。 価格だけで言えば、比較的手頃と言えるChiantiですが、1994年にイタリアワイン最高位にあたるD.O.C.G(Denominazione di Origine Controllata e Garantita 保証付統制原産地呼称)に認定されている高質ワイン。 こうやって飲み比べてみると、確かに香り・色・味は全然違います。 多少なりともワインのことも分かってきたのだろうか…。